発表会に向けて頭を整理する

以前も暗譜について書いたことがある。暗譜とは「楽譜を見ないで覚えて弾く」ということ。短い曲ならば、手が覚えてくれるだけで特に問題は起こらない。ところが少し長い曲になると、途中で一部を飛ばしてしまったり、何度も同じところを弾いていまい終わりまでたどり着けないことにもなりかねる。しかも忘れてしまうところが毎回違うと、対策も取りにくい。

私が自分でも取り入れている暗譜の仕方がある。まずはピアノから離れて紙と鉛筆を用意する。長い曲になると暗譜したい曲が何ページの曲なのか、以外と知らないこともある。まずは白い紙にページ数の分だけ大きな四角を書く。そして各ページが何段で構成されているのか線を引く(1ページに4段あるとしたら、4本の線を引く)。

そして各ページの1段目はじめの部分に音やメロディをカタカナで書いてみる。主要なメロディがあれば、何段目に出てくるのか覚えているかぎりカタカナで書きこんでみ次の次のページにうつる時にも、どんな音から始まっているか書いてみる。各ページに少しずつ特徴となること(シャープやフラットの記号が変わっているなど)も書いていけば、記憶にも残りやすい。

こうして書き込んでいるうちに、信じられないほど頭が整理されるはず。私は勝手に地図と呼んでいるが、どんな曲にも何かしら手がかりとなる特徴があるはずだから、それを覚えて、それを頼りに暗譜するとちょっと楽しくもある。2週間後に迫ってきた発表会で「戦場のメリークリスマス」を弾く生徒さんも、この方法で堂々巡りがなくなった。私が伝えたことがそのまま成果となって現れることが、とても嬉しく思う。(*⌒▽⌒*)

暗譜は決してちからわざで覚えるものではなく、頭で覚えるものと理解できれば、本番での不安も少しは解消されるように思う。

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