昔から発表会は「習っているのなら参加するべき発表の場」という認識ですが、最近は嫌がる生徒さんもいるので無理に勧めてはいません。参加したら何かしら得るものがあるので、その事をお伝するものの、やはりお子さんの意思が尊重されることが多いように思います。
今日は所属する大手楽器店の発表会でした。ピアノ以外の習い事も多く、1週間のスケジュールは習い事でびっしりの小2の生徒さんが参加しました。もともと楽譜も自分で読めるし、1人で練習もしているけれども、私が直すように指摘した音やリズムはことごとく彼の記憶に残らず、音もリズムも自分本位に弾き続けていたのが本番3週間前まで。
このままではどうにもまとまらないと叱咤激励し、なんとか暗譜(=楽譜を見ないで弾けるようになること)までこぎつけたのが本番3日前。どうなることかと思った本番は、人から賞賛されるレベルだったのが不思議なほど。弾き終わってから、私の立つ舞台袖に向かって歩く彼の顔は自信に満ちあふれ、微笑でした。この生徒さんにとっての発表会の成果は何でしょう?「最後まで諦めなければ、何とかなる!」でしょうか。諦めて楽譜を見て弾くことも出来たのに、暗譜する!と決めたその時に、幼いながらに彼の中に何か覚悟ができたのかもしれません。
発表会は人前で弾くという普段と違う緊張感があるために、怖いかもしれません。でもそれを克服した後の安堵感、自信は参加した人にしか味わえません。やはりピアノを習っているなら「お勧めたくなる会」であると実感しました。